有給休暇を取得しやすくする企業が増えてきている

有給休暇を取得しやすくする企業が増えてきているのアイキャッチ画像日本の企業では、有給休暇の制度はあっても、取得はなかなかできないことが多いです。

しかし、労働人口が減って人材不足が進む中、多様な人材を活用するために働き方改革を行う必要性が叫ばれるようになってきました。

その一つとして、有給休暇の取得率を上げることも重視されており、国や企業が有給休暇取得率を上げる努力をするようになってきました。

有給休暇取得を奨励する取り組み

有給休暇取得率を上げるための取り組みについて見ていく前に、今現在の有給休暇取得率がどれくらいなのかをみていきましょう。

厚生労働省によれば、今現在の有給休暇の取得率は以下のようになっています。

有給休暇取得率

22年 47.1%
23年 48.1%
24年 49.3%
25年 47.1%
26年 48.8%
27年 47.6%

ほぼ横ばいの状況が何年も続いていました。

また、男性と女性の有給休暇取得率は以下のようになっています。

平成27年 有給休暇取得率

男 44.7%
女 53.3%

女性の方が取得率が高いのは、子供の世話や行事に参加したりする必要性があるからです。

しかし、男女ともに取得率が低いのは間違いありません。

有給休暇の取得率を上げることの重要性は随分以前から言われていましたが、これらの結果からも分かるように、それほど真剣に取得率の改善を行ってきたとはいえないのでしょう。

しかし、最近になって有給休暇の取得率を上げる取り組みが本格的に行われるようになってきました。

国や企業が有給休暇取得率を上げるために行っている取り組みがニュースでも取り上げられているので、ここでいくつか紹介していきます。

武田薬品工業は20日、社員の年次有給休暇の取得率に応じてNPO法人への寄付額が増減する制度を導入すると発表した。年休取得が待機児童など同社社員の 関心が高い問題に取り組む団体の支援につながる仕組みをつくる。年休の65%(全社員平均ベース)を取得した場合、武田は2団体に約100万円ずつ寄付す ることになる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ20HNW_Q6A720C1TI1000/

住友商事は社員一人ひとりが有給休暇の年間計画を立て、取得促進を促す。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO04938090V10C16A7TI1000/

東京都は長時間労働を抑制し、有給休暇の取得を促進する都内の企業を「働き方改革宣言企業」と認める制度を始めた。承認された企業には最大60万円の奨励金を出し、成果が上がれば、さらに最大40万円を支給する。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO04481880V00C16A7L83000/

企業だけでなく、国や都道府県も有給休暇取得を後押しするようになってきており、日本の有給休暇取得率もやっと改善されていきそうな雰囲気が出てきました。

トップの意識改革が有給休暇取得率改善には必要

有給休暇取得率が低い企業は、従業員が周りの社員に気を使って休まないというケースが非常に多いようです。

第一生命経済研究所が行った「子供がいる正社員の休暇に対する意識調査」の結果でも、以下のような理由から有給休暇を取得するのをためらっていることが分かっています。

「休むと職場のほかの人に迷惑がかかる」54.2%
「休むと後でいそがしくなるから」30.8%
「職場の周囲の人の目が気になるから」30.2%

日本では、有給休暇を取らないのが当たり前という時代が長く続いたために、いまだに有給休暇を取得することに対する周りの目を気にする人は多いようです。

しかし、多くの社員は休みたい時に休みたいと考えているはずで、そう考えながらも「休むと迷惑がかかる」と思って有給休暇を取得できないというジレンマに悩まされています。

こういった状況が続いている最大の理由は、企業のトップが有給休暇を取得させることに真剣になっていないということにあります。

今の現状を見ても分かるように、従業員は、まるでお互いを監視しあって有給を取らせないようにしているようにも見えます。

また、後で忙しくなるから有給を取らない人がいるのも、有給休暇を取得させるための計画性がないことにあります。

こういったことを改善するのは、従業員の意志や工夫だけでは不可能なので、企業のトップが本気で有給休暇の取得率を上げる姿勢を見せる必要があります。

現に、トップが有給休暇の取得率を上げることに取り組み、取得するように社員に促したり、取得しやすい仕組みを作るだけで、取得率が一気に増えたというケースはたくさんあります。

企業トップは、これまで有給休暇を取らせていたなかったことで仕事が回っていたという思いがあり、有給休暇を取らせることで経営に影響が出るのではという考えてしまうようです。

しかし、これからは女性の活躍を促したり、世界でも低い生産性を上げる必要があり、そういった意味でも有給休暇の取得率アップは重要です。

働きかたを変えることで、従業員が働きやすくなり、生産性を上げることで、経営状況をよくしていく、という経営方法への変換が企業のトップに求められています。

まとめ

日本の有給休暇取得率は、50%強ほどで何年も横ばいが続いています。

最近になって、取得率を改善するために、国、企業が本気で取り組みを行うようになってきています。

取得率を上げるためには、従業員の努力だけでは不可能なので、トップ自らが取得率アップに向けた姿勢を見せていく必要があります。

2016年7月22日作成

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