転職をする理由の上位には、「前職の給与に不満があった」ということを上げる人が非常に多いです。
しかし、実際に転職をした人に話を聞いてみると、転職後に給与は減ってしまったといった話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
では、全体の傾向としては、転職をすることで、給与は増えるものなのでしょうか、それとも減ってしまうのでしょうか、統計結果を見ながら確認していきましょう。
国が転職活動に関して調査を行った結果を見ると、転職で給与が増える人は多い
厚生労働省が発表している転職に関する統計結果を見てみると、調査が行われた、平成18年においても、平成27年においても、転職をすることで給与が増えている人が多いことが分かりました。
平成27年に関しては、アベノミクス効果が出ていたり、人材不足が進行しはじめた時期と重なるので、景気や雇用環境が良く、転職で給与が増える可能性が高い時期であったといえます。
調査結果は、給与が増えた人が40.4%で、減少した人は36.1%となっています。
一方の平成18年も、一時的に景気が良くなった時期で、転職活動が活発に行われていたころです。
この時期に転職をした人も比較的よい環境で転職活動を行えたはずなのですが、給与が増加した人は38.9%で、減少した人は37%と、平成27年に比べると、増えた人と減った人の差は大きくはありません。
結果的には、転職活動を行うことで給与が増えるケースが多いという結論にはなるのですが、どちらも景気や雇用環境が良い時期に行われているので、不景気の時期にも当てはまる結果ではありません。
むしろ、平成18年の結果を見ていると、不景気の時期には転職をすることで給与が減る人の方が多かっただろうことが推測されます。
もし、転職で給与を増やしたいと考えているのであれば、景気や雇用環境が良い時期に転職活動を行うことが重要になってきそうです。
転職で給与が増える可能性が高いのは、25歳から29歳
同じ調査で年齢別で給与が増えた人と減った人の割合が出されているので、こちらも見てみましょう。
結果から分かるように19歳までの非常に若い年齢の人が転職活動を行った場合、給与がアップする可能性が最も高くなっています。
しかし、19歳までという年齢で転職している人には、中卒の人や、高卒の人でも非常に早い段階で転職をした人ですので、この結果がどういうことを意味するのか理解するのは難しいです。
それ以外の結果を見てみると、25歳から29歳に転職をした人が給与が増加した率が高くなっているのが分かります。
これは、転職業界でもよく認知されていることで、転職をするなら27歳、28歳、29歳前後がベストといわれています。
統計結果からも、同じ結果になっているので、裏付けが取れたことになります。
もし、転職で給与を増やしたいことを考えているのであれば、25歳から29歳の間で転職活動をしてみるとよいでしょう。
転職で給与はどれくらい増えるのか?減るのか?
転職で給与が増えるのか減るのかは、景気や雇用情勢、転職をする年齢が影響することが分かりました。
では、転職をすることで、どれくらいの金額が増加、減少するのかについても、統計結果を見てみましょう。
- 1割以上3割未満増加 18.6%
- 1割以上3割未満減少 17.3%
- 1割未満増加 12.9%
- 3割以上減少 9.9%
- 3割以上増加 8.9%
- 1割未満減少 8.8%
給与が増加する場合でも、減少する場合でも、1割以上3割未満の増加・減少になることが多いようです。
3割以上増加・減少に関しては、9%前後に限られるので、転職でそれ程大きく給与が変動することはないと思っておけばよいのかもしれません。
まとめ
転職活動では、自分自身の能力や年齢だけでなく、外部環境である景気や雇用情勢が重要になることが分かりました。
急に転職が必要になるケースもありますが、そうではないのであれば、転職をするタイミングを見計らうのもよいかもしれません。